何が言いたい?
勧められた投資信託を買うかどうか,太陽光パネルを設置するかどうか,新しい機械を導入するかどうかを決めるとき,それが採算が取れるかのどうか,あるいは損か得かを考えることがあります.この「採算がとれるかどうか」という観点は「損か得か」とよく混同してしまうことがあります.
簡単にまとめると,ある案件が「採算がとれるかどうか」はその案件だけで計算できますが,「損か得か」は他の案件と比較しないとわかりません.ここでは,このことを説明したいと思います.
「採算がとれるかどうか」
採算がとれるというのは,入っているお金が出ていくお金よりも大きい,つまり収入が支出よりも大きいということです.お金が手元に残る,自分のお金を持ち出さずにすむということです.ある投資案件で採算がとれるかどうかは,その案件の条件のみで評価できます.他の代替案を評価する必要はありません.
例えば,商品を製造するのに新しい機械Aを導入することで入ってくるお金が,出ていくお金(機械の代金など)を上回るのであれば,それは採算が取れているということです.一方で,メンテナンスなどで出ていくお金の方が多ければ,採算が取れていないということになります.このように機械Aを導入することで採算が取れるかどうかは,その他の機械を導入するかということとは何ら関係ないのです.
「損か得か」
一方,ある投資案件が損か得かというのは,他の投資案件(あるいは何もしないとき)と比べて初めてわかることです.例えば,お家の屋根に太陽光発電を導入しようとなったときは,お金の流れをシミュレーションすると思います.このとき採算が取れていなかったとしても,太陽光発電を導入しなかった時(電力会社と契約して電気を買っているとき)に比べて出ていくお金が少なくなれば,その太陽光発電は導入した方がお得ということになります.つまり,損か得かは比較対象を決めないと何も言えないということです.
ここで注意しないといけないのはどれくらい得になるかは,何と比べるかによるということです.現在,電力会社から電気を買っていたとしても,どの電力会社と契約しているかによって,お得の度合いは変わってきます.基本料金のない使用分だけ支払う電力会社(例えば,Looop電力)と契約している場合と,基本料金のある電力会社(例えば,関西電力)と契約している場合では,一概に太陽光発電の導入といっても,得になる度合いが違うのです.
まとめ
- ある案件が「採算がとれるかどうか」は,その案件の条件だけから計算できます
- ある案件が「損か得か」は,他の案件との比較で計算できます.